中島公園の野外彫刻、碑像、及び関連する美化保存活動について紹介。右側サイドメニューは野外彫刻関連ページへのリンク。
■2018年9月29日 中島公園のキッズガーデン
札幌彫刻美術館友の会は中島公園管理事務所が主催するキッズガーデンに協力。11時から30分間行われる彫刻清掃を担当した。参加者は幼児・低学年、とその父母。「香りの広場」にある4体を清掃した。
8月に雨のために中止なったが、今回は天候に恵まれた。時間が短いので各彫刻に別れて清掃。私は「猫とハーモニカ」を担当した。やっている内に有意義でユニークなイベントなのでホームページに掲載したくなった。それで各コンクリート彫刻を見て回る。真剣に掃除する子供たち。
今回清掃する4体はいずれも山内壮夫の作品で左の画像は「母と子の像」。この像は2007年の札幌まつり最終日の夜、悪戯で倒された。これがきっかけで彫刻清掃が始まったので「彫刻清掃の母」でもある。 | |
右の画像は「笛を吹く少女」。平成の再整備で彫刻は移設されたが、この彫刻は設置時とほぼ同じ場所にあり、藻岩山を見つめている。子供たちが掃除するには背が高いので父母もお手伝いしている。 |
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左は「鶴の舞」、鶴に見えないよと言う子供たちの声が聞こえるような気がする。アイヌの踊り鶴の舞は着物の裾を持って踊る。その姿には似てると思う。 高さ190cmの白コンクリート製。 |
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右は「猫とハーモニカ」。ギリシャ神話の牧神という説もある。吹いているのはハーモニカではなく「パンの笛」。「座っていい?」と聞かれたので「どうぞ」。小さい子はすっぽりと抱かれて気持ちよさそう。 | |
彫刻友の会の会員さんが子供たちにお土産を作って持て来てくださった。子供たちは大喜び。そばで羨ましそうに見ていた私にも下さった。家に持ち帰るといいねと言って壁に貼ってくれた。 | |
詳細画像 → 札幌彫刻美術館友の会公式ページ |
4体のコンクリート彫刻が置かれている「香りの広場」。ご覧の様に天候に恵まれた。緑の広場の彼方に藻岩山が見える。
彫刻に刻まれた年表示
笛を吹く少女 T.YAMAUCHI 1959、「母と子の像」は表示なし。
猫とハーモニカ T.YAMAUCHI 1961
鶴の舞 Yamauchi 1965
2018年8月29日 木下成太郎像の蜜蝋塗布作業
専門家の指導で札幌彫刻美術館友の会員が、昨日再設置された木下成太郎像の維持保全のため洗浄と蜜蝋塗布作業を行った。
洗浄し蜜蝋を刷毛で塗る。 詳細→木下像の洗浄と蜜蝋塗布作業
2018年8月28日 木下成太郎像の再設置
修復の為一時移動していた 木下成太郎像は、2018年8月28日に元の台座の上に再設置された。シンポジウム2010「北の彫刻」で提起された問題が関係者の努力により実を結んだ。あれから8年の成果と思う。
像をクレーンでつり下げて設置。 詳細→木下成太郎像の再設置作業
■2018年8月10日 中島公園でコンクリート彫刻のPS塗装
札幌彫刻美術館友の会では2010年から毎年1体ずつ、彫刻のパーマシールド塗装を行っている。「香りの広場」にある4体のコンクリート彫刻はいずれも設置以来半世紀を超えている。劣化を防ぎ美観を維持する為、5年に1度は透明塗料による塗装を実施している。「鶴の舞は」5年ぶり二度目の塗装である。
この作業により汚れた彫刻は綺麗になり、50年程度と言われているコンクリート彫刻の寿命を延ばすことができる。塗装に先立ち彫刻に水をかけ丁寧に水洗いをする(上の画像)。塗装の目的はコンクリート内部に水分や炭酸ガスなどが入りにくい表層を作り保護することにある。
汚れの酷い箇所は柔らかい刷毛と中性洗剤で汚れを取り除く。白い塗料で汚れを覆い隠すような処理ではないので、仕上がりは自然な感じになる。その為に透明塗料を使うので、事前の徹底的な清掃が必要となる。 | |
札幌彫刻美術館友の会で実施したパーマシールド塗装は2010年猫とハーモニカ、2011年母と子の像、2012年笛を吹く少女、2013年鶴の舞で一順。今回の鶴の舞塗装は二巡目である。 |
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パーマシールド塗装前 | 塗装後 |
4体のコンクリート彫刻は1959年10月に開園した百花園に設置された。その後百花園は平成の再整備で廃止された。彫刻は跡地である「香りの広場」に位置を変えて残されている。 |
ボランティアとして作業に当たった札幌彫刻美術館友の会員と札幌開成中等教育学校の生徒2人。右端は会長。
2017年11月8日 木下成太郎像は修復の為一時移動
画像は2018年2月18日の撮影。中島公園管理事務所の掲示には「雨水の浸食が見られるため、復旧作業を行う」と書いてある。木下像については、およそ10年前に札幌彫刻美術館友の会の調査により歴史・文化資産として貴重なものであると再評価。それが今回の修復作業に繋がったのではないかと思っている。2018年夏までに修復を終える予定。
参考ブログ→木下成太郎像は修復の為一時移動(2017年11月)
修復までの経緯→シンポジウム2010「北の彫刻」
2016年10月27日 中島中学の生徒さんが野外彫刻清掃
総合学習の一環として木下像等の清掃→中島中学が野外彫刻清掃
2016年9月1日 木下成太郎像の調査と清掃法学習
武蔵野美術大学では2010年から貴重な芸術遺産として木下成太郎像に注目し保全の為の調査を行って来た(画像は2010年10月17日に行われた調査)。
今回は造形学部彫刻学科黒川弘毅教授以下4名の専門家による木下成太郎像のブロンズ像内部の内視鏡検査が行われた。
この調査には中島公園内の彫刻清掃、調査啓蒙活動を行っている札幌彫刻美術館友の会が協力した。 関連記事 → 札幌彫刻美術館友の会:9月1日学習会報告 《木下成太郎像》の調査
2016年8月27日 中島公園彫刻清掃(キッズガーデニング)
「香りの広場」にある山内壮夫の彫刻4体を子供たちが清掃。
画像は「母と子の像」。他に「猫とハーモニカ」「鶴の舞」「笛を吹く少女」の清掃が行われた。詳細はこちらをクリック! → 札幌彫刻美術館友の会:中島公園彫刻清掃(キッズガーデニング)
2016年8月8日・9日「母と子の像」の塗装作業
8日に念入りに清掃し、9日に塗装作業を行った。
2010年から札幌彫刻美術館友の会ではコンクリート彫刻を長持ちさせる為の塗装を継続的に行っている。対象は「香りの広場」にある山内壮夫の4作品。今回は「母と子の像」の塗装を実施した。
詳細はブログ中島公園新着情報 → 「母と子の像」塗装作業
2015年11月11日 道新に彫刻の劣化問題記事掲載
北海道新聞11月11日付け朝刊31ページに「野外彫刻 進む劣化」「コンクリート製 寿命近づく」との見出しの記事が掲載された。中島公園にある4体のコンクリート彫刻についても記されている。例えば山内壮夫のコンクリート彫刻「母と子の像」が悪戯で故意に倒されたことなどである。
札幌まつりの夜に倒された。翌朝の2007年6月17日に撮影。
この像はトラックに搭載したクレーンで元に戻したものの悪戯は続く。今度は目に花火を入れて焦がされたようだ。実に2週間にわたる攻撃だ。悪戯ににしては度を越している。
悪戯は更に続く。今度は目などを焦がされた。2007年7月1日撮影
この悪戯行為は同じ「香りの広場」にある「笛を吹く少女」にも及んだ。6月中旬から下旬まで続いた悪戯は収束する気配が見えなかった。この悪戯事件がきっかけとなり、札幌彫刻美術館友の会と地元のラジオ「山鼻、あしたもいい天気!」のメンバーが協力して野外彫刻の清掃を始めた。
記念すべき第一回目の彫刻清掃は2008年6月に行われた。この活動が今の中島公園彫刻清掃に繋がり、11月11日の北海道新聞の記事にも繋がっているのではないかと、個人的には思っている。
詳細はこちら → 中島公園の野外彫刻が泣いている
2015年10月4日 シンポジウム「彫刻を創る・守る」
9時から16時までシンポジウム「野外彫刻を創る・守る」が道立近代美術館講堂で開催された。主催は実行委員会だが札幌彫刻美術館友の会メンバーが中心になって開催した。
画像は2008年に行われた中島公園における第1回彫刻清掃。
シンポジウムには武蔵野美術大学教授や彫刻家等で全国的に組織している「屋外彫刻調査保存研究会」、道内の彫刻家等も参加。彫刻の補習・保全問題について話し合った。多くの一般市民も参加して行われた。
札幌彫刻美術館友の会からは中島公園内での活動についての発表もあった。公園内にある彫刻の清掃・調査・解説、子供たちの祭り「かもくま祭」への参加、公園周辺の学校に彫刻の出前講義や課外授業、生徒による彫刻清掃支援等。
シンポジウムについての詳細はこちら → 野外彫刻を創る・守る
シンポジウムに先立ち専門家による調査、特に木下像の固定箇所が綿密に調べられた。野外彫刻問題を含めた詳細は11月19日の北海道新聞に掲載されている。見出しは「札幌・中島公園の『木下成太郎像』 巨匠・朝倉文夫 戦時下の仕事」「美術史的価値を広め保存を」。執筆は武蔵野美術大学の黒川弘毅教授。
内容は友の会公式サイト→「木下繁太郎像」美術史的価値広め保存を
2015年10月3日 「屋外彫刻調査保存研究会」の調査
武蔵野美術大学はじめ日本各地彫刻保存関係者で組織された「屋外彫刻調査保存研究会」が札幌市内の彫刻調査を行った。
東側の林の中に「木下成太郎像(朝倉文夫)」がある。ここでは「屋外彫刻調査保存研究会」が本格的調査。
視線の先に穴のようなものがある。ここから水が溜まり凍結したら彫刻を傷める。一見壊れている様に見えるが大丈夫だろうか。
あらゆる角度から彫刻を調査。設置して74年たつ木下像は傷んでいる。専門家による補修が必要なようだ。
白く浮き上がった字や模様は、他の大きな部分を削って浮きあがせるそうだ。
台座の文字は長い間風雨にさらされ見えなかったが2009年に補修され、白い字と黒い字になり読みやすくなった。
私も札幌彫刻美術館友の会会員として、中島公園の調査に同行した。調査団は中島公園を出ると、大通公園、円山動物園方面に向かった。
札幌人図鑑 札幌彫刻美術館友の会 橋本信夫さん
インタビュアー福津京子さんと札幌彫刻美術館友の会会長との対談
ゲスト紹介文は次のように始まる「今日のゲストは、漫画『花とゆめ』で人気だった『動物のお医者さん』のモデル、北大名誉教授の橋本信夫さん。漫画の人気で当時、北大の獣医学部の受験生が記録的に増えるという伝説を残しました……。(札幌人図鑑)」内容は野外彫刻の美化保存活動に関する動画。
詳細はこちら → 札幌人図鑑札幌彫刻美術館友の会橋本信夫さん
中島公園内の野外彫刻
中島公園の野外彫刻は、「木下成太郎像(1942年)」「森の歌(1959年)」「相響(1997年)」等が知られている。各彫刻がそれぞれの時代を反映していて興味深い。詳細はこちらをクリック! → 中島公園野外彫刻一覧
左より「木下成太郎像」「森の歌」「相響」「母と子の像」他、多数。
中島公園モニュメント研究会
「中島公園モニュメント研究会」は、2007年夏の「彫刻悪戯事件」をキッカケに立ち上げられた。野外彫刻の調査・啓蒙活動の他、年2回の彫刻清掃を定期的に行っている。彫刻悪戯事件の詳細はこちら → 野外彫刻が泣いている
クリーン鴨々川清掃運動と野外彫刻清掃が一体化へ
2011年6月からは「クリーン鴨々川清掃運動」の一部として中島公園野外彫刻清掃を行うことになった。中島公園を共同でキレイにする活動の始まり。
詳細はこちらをクリック! → 鴨々川・中島公園野外彫刻清掃1
クリーン鴨々川清掃運動開会式
野外彫刻清掃には小学生も参加。
パークホテルで野外彫刻に関するシンポジウム開催
中島公園には多数の彫刻があるが、「木下成太郎像」は、特に貴重な存在と思う。 2010年10月17日には札幌パークホテルで、シンポジウム「北の彫刻」が開かれた。詳細はこちらをクリック! → シンポジウム 2010 北の彫刻
画像提供は、「JTBコミュニケーションズ北海道」の 橋本さん。
中島公園彫刻クイズラリー 2011年7月30日
小学生以下対象で「札幌彫刻美術館友の会」が主催して開催。
詳細はこちらをクリック → 中島公園彫刻クイズラリー
2012年6月30日 第2回中島公園彫刻クイズラリー開催
彫刻を愛するボランテイア団体「札幌彫刻美術館友の会」が主催。
札幌市が後援、中島公園周辺ホテル、企業等が協賛。 内容は彫刻クイズラリーとミニコンサート。親子連れ等、多くの方々が参加。ありがとうございました。