鴨々川に迷い込んだサクラマスの運命は
2007年9月末〜10月の出来事

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大歓迎したサクラマス遡上・産卵は、どおやら迷い込みが原因で永続性は期待できないようです。 これを契機に「サクラマスの育つ環境」について考えてみたいと思います。 2007年11月5日更新

サクラマス速報   次へ 遡上の原因は? 戻されたサクラマス

山鼻に住んでいる橋本様よりのメール↓

発見したのは9月25日深夜

いつも(「中島パフェ」を)拝見しております。

山鼻に住んでいる橋本と申します。

地元なのでとても参考になり貴重な情報源となっております。ありがとうございます。

さて、先日の25日(火曜)地下鉄の最終で帰って地上に出てから、いつものように鴨々川水遊び場横を通って帰ろうとしたところ

この春工事していた鴨々川水遊び場からばしゃばしゃと音がするので近づくと、魚影が見えました。

ウグイの産卵の様でした。水面が産卵のために真っ白になっておりました。 よく見ましたが水面の光が邪魔をして魚体まで確認できませんでした…。












鴨々川2007年10月12日撮影

先日ひどい雷雨があったのでウグイの卵も流れてしまったかと気にしておりましたが、

本日たまたま仕事で近くに寄りました。

目を凝らしてウグイを探してみると、ばしゃばしゃと聞こえてきましたので大丈夫だったんだと思い、近くまで近寄りました。

魚影を確認してびっくり、なんと「サケ」だったのです。尾の白いのと黒いのと昼間も産卵を繰り返しておりました。

慌てて、携帯で動画を撮りましたが、必要でございましたらお申し付け下さい。 

ご提供させて頂きます。このメールにてご連絡くださいませ。

豊平川より中に入った、こんな小さな川にサケが産卵に来るなんてとても神秘的に思えてなりません。

これからも、楽しいHPつくってくださいね。 とり急ぎ、失礼いたします。

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あれから12日たちました

10月6日のサクラマスです

メール有難うございます。 橋本さんが見た魚は、その後の情報整理によると、サクラマスかも知れません。 もちろんサケの可能性もあります。 

「さけ科学館」の話では取水口の柵の間隔はサクラマスやサケが通れるくらいの幅があったそうです。

提供して頂いた「動画」は、準備でき次第、一番上に掲載するつもりです。

鴨々川を南から白鶴橋へ歩いてみると、サクラマスがあちこちに分散しています。 

元気に動き回っている姿も観られます。 写真を撮っている人もいます。 今では中島公園の人気者のようです。

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あちこちにサクラマスの死骸が

10月5日「中島パフェ」掲示板より

死骸もあちこちにあります。 私が確認したのは4尾です。10月5日「中島パフェ」画像掲示板にカラスさんより、次の書き込みがありました。

「9月30日の掲示版や北海道新聞記事のサクラマスは、10月5日には白鶴橋たもとに死がいで横たわっていました。

死んでも、他の生物の栄養になるので、多くの意味があるそうです。

当初わたしは、サクラマスは創成川を遡上したと思っておりましたが、どうも豊平川からの取水口から流れ込んできた?と思うようになっています。

どちらにせよ、長い旅を経た自然界の姿を中島公園に見ました」

「画像掲示板」にはもっと活きのいい画像があります。ここに掲載した画像は掲示板書き込みを手がかりに翌日、撮ったものです。

9月29日の新聞報道以来、訪れる人も多くなり、いたずらする子供も現れました。 このときは大人が注意して止めさせました。

30日は恒例の「クリーン鴨々川清掃運動」がありました。 サクラマスの遡上・産卵が話題になっていました。

「私達の清掃運動が実を結んだ」と喜んでいましたが、何か違うような気がします。 8月に完了した、3年がかりの河川工事の影響との説もあります。そこで

「さけ科学館」に問い合わせることにしました。

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「豊平川さけ科学館」の見解がブログに

迷い込んだサクラマス-10月1日・ 鴨々川

問合せに対して「さけ科学館」よりメールが届きました。 「現地確認後の当館の見解はブログ記事の通り」ということです。転載自由。以下ブログより。

「数日前の新聞にも掲載された鴨々川のサクラマス、今日時間が取れたので、初めて現物を見に行ってきました。

まず、豊平川から鴨々川への取水口を確認すると、柵は付いているものの、縦スリットの間隔が広く、これではサケやサクラマスが簡単に通り抜けます。

この状況からすると、今回はおそらく豊平川に遡上した個体が迷い込んだのでしょう。

鴨々川に行ってみると、幌平橋からすぐの所で、産卵場所を守っているメスが1尾見つかりました。

ほかには産卵を終えて死んだメスが1尾。

おなかの中には卵が1粒しか残っていなく、無事に産みきったと言えます。

付近で産卵できそうな環境は、ごく短い区間しかないのですが、そこに5ヶ所の産卵床を確認しました。

オスの確認はできませんでしたが、状況からすると産卵は無事終えたものと思われます。あとは卵が無事育つかどうかですね。

ただ、ここで生まれても、越冬環境や降海、遡上のことを考えると、鴨々川ではちょっと難しいと思います。やはりサケやサクラマスが入ってこないような対策が必要でしょう」

サクラマスが育つ環境とは

「さけ科学館」の結論は、「サケやサクラマスが鴨々川に入ってこないような対策が必要」とのことです。

現在の鴨々川の環境では、新しい命が生まれても生きて行くことが難しいからです。

鴨々川にサクラマスが遡上・産卵して、皆よろこんでいました。 感動したとも言っています。

サクラマスが遡上し、一時ですが夢がかなったと思いました。 これを契機に「サクラマスの育つ環境」について考えてみたいと思います。そうすることが私にとって何よりの収穫になるはずです。

2007年10月1日サクラマスと、サクラマスを携帯で撮影する人

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サクラマス遡上・産卵、その原因は?

10月11日早朝、HTBテレビで「迷子のサクラマス」についてフォーローする番組がありました。「豊平川さけ科学館」の岡本さんから、専門家の立場としてのコメントがありました。

それによると、鴨々川河川工事が原因のようです。 河川工事により豊平川から鴨々川へ流れる水量が最高5倍まで増えました。 

当然、水の流れが強くなり、早くなります。 それで、豊平川を遡上するサクラマスが、鴨々川取水口に吸い込まれてしまいました。 トンネルのような真っ暗なところに吸い込まれたので、サクラマスが迷子になってしまったそうです。 不正確かもしれませんが、私の解釈です。

豊平川より鴨々川に入る取水口は10月12日現在下の画像のようになっています。 ここから先は立入禁止になっているので、取水口の写真は撮れませんが、テレビ報道によると10センチくらいの幅の柵があって、そこからサクラマス等が吸い込まれると考えられます。  次へ

取水口は川側を向いて開かれている

立入禁止の向こう側に行かなければ撮れない

豊平川に戻されたサクラマス 11月5日更新

10月中旬になるとサクラマスが、姿を消してしまいました。あちこちにあった死骸も見えなくなりました。 

サクラマスが長い長い1.5kmもあるトンネルのような導水管を遡上して豊平川に帰ったとは到底思えないので、とても不思議に感じました。

あれから3週間後の今日になって、やっとその謎が解けました。 たまたま会った、中島公園ウォッチャーのAさんの話から、鴨々川のサクラマスが保護されて豊平川に戻されたことを知りました。

およそ次のような話です。 

「豊平川さけ科学館に行って鴨々川に遡上したサクラマスについて尋ねたところ、サクラマスについては当館の仕事ではないが、各方面からの問合せが多いので、調査に行って、館としての見解を説明した。 

その後、不特定多数の方から「サクラマスが可哀想」だとか、いろいろの電話問合せ等があったので、管轄外の仕事だが放ってはおけず、鴨々川に行ってサクラマスを保護し、豊平川に戻した」

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